大橋さおりのかけ歩き

日本共産党福島県議会議員・大橋さおりのブログです

9月議会に向けた政調会。大雨被災者への支援、汚染水海洋放出、コロナ対策など

 9月議会に向けた政調会が開かれ、補正予算は約350億円の見込みとの報告がありました。

 コロナ対応では、政府は新規感染者の全数把握を見直す方針に対して、県民の命・健康を守る立場から全数把握を維持すべきと求めました。医師の事務負担の軽減を考えるのであれば、全数把握の見直しではなく事務作業を簡便にするなど他の方法があるはずです。

 県コロナ対策本部の体制は、保健福祉部職員とその他部局の応援職員で構成しており、専任体制となっていません。一般的な業務を行いながらコロナ対策の業務を行っており、職員の疲弊が危惧されます。専任体制にすべきと求めました。

 

 8月の大雨では、福島県も激甚指定となりました。県は、今回は被災住宅が少ないことを理由に災害救助法の適用申請を行わなかったため、応急修理などの制度が活用できません。去年の2月の地震の際には、県独自で応急修理と同等の支援を行っており、今回も実施すべきと求めました。被災者生活再建支援法については、県独自の支援制度の発動を検討していることが明らかになりました。

 

 最大の課題である原発汚染水の海洋放出については、今月初旬に知事が事前了解願を承諾したことから、放出に向け本格的に工事が開始されました。しかし県民・漁業者は納得していません。来年から汚染水を流し始めたとしても、日々発生する汚染水が減らなければ、タンクは減少しません。3月の地震以降、トリチウム濃度も高くなるなど海洋放出の前提が崩れており、このまま流すことは許されません。抜本的な地下水対策が必要ですが、東電はそれについて検討していません。県は東電に対し、汚染水を増やさないための抜本対策を本気で求めるべきです。

 

3年ぶりの霊山太鼓まつり、晴天のもと響き渡る太鼓の音

 3年ぶりとなる霊山太鼓まつりが開催されました。

 コロナ感染拡大で、直前まで開催すべきかどうか判断に悩んでいたとの話も出されましたが、約350年もの歴史を持つ霊山太鼓の伝統を後世にまで紡いでいきたいとの強い思いを感じる演奏でした。

小国川の伐木実施が決まりました

 霊山町を流れる小国川のすぐそばに住む方から「コロナ以降の約3年間は除草作業ができず、河川のそばに気が生い茂ってしまった。台風19号でも被害があったので木を切ってもらいたい」と要望が出されました。

 県に伝え、県も住民の方と話し合いをした結果、10月から木の伐採が実施されることになりました。

福島大学・柴崎教授の汚染水学習会。海洋放出ではなく、汚染水増加を防ぐ対策こそ

 全県議員学習会で、地質の専門家である福大・柴崎教授を講師に汚染水問題について学習しました。

柴崎教授は、このままでは、今あるタンクの汚染水すら流せず、ますますタンクは増え続けてしまうと指摘、200年以上流し続ける試算も示されました。(現在東電は、放出期間計画を30年間と想定しています。)

汚染水を増やさないために、柴崎教授を含む地質の専門家らが提案する「広域遮水壁」の建設など、抜本的な地下水対策の必要性が強く語られました。

 東電は汚染水増加防止として、2018年に凍土壁を設置しました。凍土壁は、345億円ものお金をかけて作られましたが、東電自身も「効果は限定的」と認めざるを得ない状況で、汚染水は今もなお増え続けています。「凍土壁を作っても汚染水を減らせなかったから海に流す」との国・東電の姿勢は、無責任極まりないのではないでしょうか。

 汚染水が海洋放出されれば、風評被害が拡大し復興に向けた努力が水の泡となるのは明らかです。漁業者・県民・国民が納得できる方法の研究を続けること、まずは汚染水を増やさない対策に真剣に取り組むことこそ求められており、知事はその県民の思いを発信すべきです。

汚染水問題の解決に向けて、分かりやすいパンフレットを柴崎教授らが作成しました。 一冊100円です。

 

いわぶち友参院議員と、豪雨災害の現地調査(二本松市、喜多方市)

 党県議団は、いわぶち友参院議員、二本松市議団、喜多方市議団とともに、今月3日から4日に発生した豪雨災害の現地調査と被災された方からの要望をお聞きしました。

 二本松市では、ソーラーパネル(40ha、12MW)設置場所に降った雨水が、調整池に入らず流出したことが原因と思われる土砂崩れにより、県道が一時通行止め、隣接する墓地が土砂によって破損・流出などの被害を受けました。民家や人的被害がなかったことは、せめてもの救いです。

 現場を見てみると、パネル設置場所から調整池までの水路となるU字溝の一部が壊れており、住民の人によると「今回の大雨以前から壊れていた」とのこと。業者が放置していなければ今回のような被害は起きなかったのではないか、との思いです。

 また、調整池に溜まった水が流れる移川につながる暗渠なども口径が小さいため、「大きいものに交換してほしい」との要望を受けました。

 

 午後は、喜多方市へ。

 磐越西線の鉄橋が落ちた場所では、遠藤忠一市長から被害状況の説明を受けました。「高校生などの通学、通勤など地元住民にとって必要な路線。JRは早期に代替案を示してほしい。バスなど代替輸送が必要」と話し、被災農家への支援や激甚災害の指定も要望されました。

 磐越西線は、東日本大震災時に石油を郡山に輸送するなど重要な役割を果たしました。赤字路線であっても、地域住民にとってはなくてはならない路線であり、観光など地域振興にも欠かせないものとなっています。JRは公共交通を守るために責任を果たすべきです。

 その後行った山都町では農地や住宅被害が甚大でした。

 ある農家の方は、「落花生は花が咲いて一番大事な時期に、川の土砂が流入した。隣にはそばの種をまいたばかりだった。そばは、土砂を撤去してもう一度蒔くことはできるが、災害査定の関係でそのままにしておくようにと言われている」とのことでした。「耕作放棄地も増えてきて、農村は人口減少。災害が起きるたび、こうしたことに拍車がかかる。地域振興も一体に考えてほしい」と話されました。

 土砂崩れによる住宅被害を受けた方は、まだ水も電気も通っておらず片付けすらできない状況です。崩落した山の法面にはネットが張ってあっただけで、対策の不備が指摘されました。幸い、市営住宅への入居が決まりましたが、ガス台など生活に必要なものが何もなく「どうやって暮らせばいいのか」と切実な声でした。家にあった家電や衣類はとても使える状態ではなく、「仕方ないからカセットコンロは購入した」と話していました。同市内に住む家族が布団は持ってきてくれたとのことでしたが、ちょうど居合わせた地元の人からも「余っているものないか探してみるよ」と声がかかり、ほっとした表情をされたのが印象的でした。公営住宅に移った際の生活物資の支援が必要だと感じました。

 沼の平地区では、道路が崩落したことで農業用ため池の水が流出し続けており「春の作付けは難しいのではないか」と地域住民は不安が大きい様子です。また、道路が寸断されて一時孤立状態となり、「病気など急を要する事態が起きたらどうしようと不安だった。う回路は整備されていない道なので通行は大変」と話す方もおり、早期復旧がより切実に求められていると感じました。

ソーラーパネル設置場所を見渡す

二本松市。壊れたU字溝

落橋現場近くで遠藤市長から説明を受ける

土砂崩れで自宅等が被災した方から要望をお聞きしました

 

DAPPEが知事の「事前了解」反対で緊急街頭宣伝

 猛暑の中、福島駅前でDAPPEが汚染水海洋放出と事前了解に反対する緊急街頭宣伝を行い、私も参加しました。マスコミの注目を集め、足を止めて聞いていく人もいました。

 参加者からのスピーチは、毎年3月に県民集会を主催している平和フォーラムの角田さん、生業原発訴訟原告団長の中島さん、いわき市の漁業者、県農民連の佐々木さんが発言。「事故を起こした国・東電が、被害者である県民・漁業者に新たな犠牲を強いることは許されない。海洋放出は撤回すべき」「知事は、県民の反対の声を受け止め、政府に海洋放出中止と言うべき」と怒りのこもったスピーチが続きました。

 いわき市の漁業者からは怒りとともに「東電は7月だけでも3~4回説明会を開いているが毎回同じ話で、漁業者は『何回説明会やったってどうせ流すんだべ』という気持ちになっていて、説明会の参加人数はどんどん減っている。悔しさばっかりだ」と、この問題に直面している苦悩がにじみ出ていました。 

 岩渕友参院議員、金子恵美衆院議員からもスピーチ。「国や東電が被害者の声を聞かずに強行しようとしていることが大問題」「県民・国民の声を聞こうともせず進めるなら、海洋放出にノーと言わなければならない」と話し、参加者を励ましました。

 

 そもそも、昨年4月に政府が海洋放出の方針を決定した時に、内堀知事は「国が決めること」として自らの態度を表明しませんでした。その後も「風評対策を求める」「国や東電は丁寧な説明を」というばかりで、県民や漁業者が反対・納得していないにもかかわらず、国の進めることに意見すらしてこなかったことが大問題です。

 宮城県の知事は「海洋放出以外の方法を継続して検討すべき」と発言していますが、福島県の内堀知事にこそこうした発言が求められています。また、宮城県議会は昨年、海洋放出に反対する意見書を2回可決し、農林水産常任委員会は村井知事に対して①海洋放出以外の方法を検討することが最優先だと国に求めること、②県としても独自に処分方法を研究・調査することなどを、口頭で申し入れていました。

参院選の結果報告を兼ねて訪問活動

 月舘町参院選結果報告ニュースと、党創立100周年の記事が載った赤旗日曜版をもって訪問活動。「いわぶちさん本当によかったね」「自分が投票した人が当選するのはとても嬉しい」など当選を喜んでいる様子が伝わってきました。

 

 農家の方からは「また今月から肥料など資材が高くなった。前は2000~3000円だったのが今は倍の6000円に。資材が高くなっている分、出荷した野菜の販売価格も上げてくれと頼んだ。こんな状況では子どもたちに百姓は継がせられない」と切実な声です。ほかの方からも「年金は下がるのに物価は上がり続けて大変」、「統一教会の実態が暴露されてきたね」などいろいろな話が出されました。

 

 行動中、桃の差し入れも。あかつきの季節が始まりました。