大橋さおりのかけ歩き

日本共産党福島県議会議員・大橋さおりのブログです

北海道・東北6県議員の研修会に参加。ヘラルボニーの取り組みや地球温暖化対策について

 3年ぶりに北海道・東北6県の議員研修会が岩手県で開催され、私も参加しました。

 全体会では、「岩手・東北から障害の概念を変える異彩たち」というテーマで、株式会社ヘラルボニーの松田社長・松田副社長の講演がありました。

 お二人は岩手県出身・双子で、お二人のお兄さんが知的障害をもっており、両親の影響もあり子どものころから福祉関係の活動をしてきました。お兄さんへの偏見や心無い言葉に違和感があり、「『障がい者』という人はひとりもいない」、「普通じゃないということは可能性だ」との思いで、アート作品を商品として販売するなどの事業に取り組んでいます。27歳の時に企業し、現在31歳、私と同い年です。

 ヘラルボニーは、草間彌生さんがそうであるように、障がい者への支援という観点からではなく、一つのアート(作品)から障がい者のことを知ってもらう、障がい者支援ではなくビジネスとして展開しながら、「市場拡張ではなく、思想の拡張を目指す」など、明確なビジョンを持っていると感じました。「今はアートだが、将来的には飲食店の経営など、障害がある人たちが自分に合った仕事を選んで、働いて、生活していけるようにしたい」と話されていて、非常に大事な取り組みだと感じました。

 社名である「ヘラルボニー」は、以前お兄さんがノートにたくさん書いていた「謎の言葉」とのこと。

 印象的だったのは、自販機デザインでコカ・コーラとコラボし、このデザイン自販機で購入すればその売り上げの一部が作家の収入になる仕組みとなっています。また、工事現場の仮囲いにアート作品を掲示し、掲示が終わった作品はバッグとして販売するなど、環境にも配慮しています。岩手県では、仮囲いでヘラルボニーのアートを掲示することを、入札時の加点条件(加点は1~2点)とする仕組みを作っています。

 ヘラルボニーの取り組みは、以前からツイッターで見ていたので、今回ご本人から直接お話を伺えてとても感動しました。貴重な経験でした。

 

 分科会は3つに分かれ、私は「地球温暖化対策」の分科会に参加。各道県から報告の後、意見交換の時間がありました。

 北海道では、部局横断型で温暖化対策に取り組めるよう「ゼロカーボン推進監」、「ゼロカーボン局」を作りました。去年の8月から始まっています。本県でも、再エネ推進と森林保全は部局が異なっており、一体型になればより一層具体的な取り組みが進むのではないかと思いました。

 青森県は、家庭部門での温室効果ガス排出量が全国3位(福島県は10位)ということから、省エネ住宅への改修促進に取り組んでいます。

 秋田県は、森林による二酸化炭素吸収も生かしながら温暖化対策に取り組んでいると報告がありました。

 岩手県でも、省エネ住宅などの推進に向け補助を行っています。県産木材を使用した際にも補助を実施。また、藻場の再生等ブルー・カーボンも含めて、グリーン社会の実現を目指した取り組みが紹介されました。

 山形県では、県の「カーボンニュートラルやまがた推進会議」の委員に、高校生を任命するなど、専門家や各界の代表だけでない幅広い意見を出し合い議論を重ね、「カーボンニュートラルやまがたアクションプラン」を取りまとめています。また、省エネ家電買い替えキャンペーンも行っています。

 宮城県は、事業者が大規模な太陽光発電を進めるなかで、住民に全く説明のないまま事業を進め、様々なトラブルが続出。そのため県として、主に太陽光発電を対象とした再エネ条例を策定し、住民への事前説明等を義務化しました。

 福島県からは、水素フィールドの紹介や、林業アカデミーの開校などが報告されましたが、他の道県と比べると、県民生活からかけ離れた印象で、県民と一緒に取り組むという側面が非常に乏しいと感じました。他道県は、各地の実態や実情に即した対策が行われていると感じました。

 各地での温暖化対策を知ることができたのは非常に有意義な機会となりました。

 今日の学びを福島県でも生かしていけるように頑張っていきたいと思います。

ヘラルボニーの松田氏の講演

コカ・コーラとコラボしたデザイン自販機。利益の一部が作家に還元されます。

開会時には、岩手県の達増知事から挨拶が。