大橋さおりのかけ歩き

日本共産党福島県議会議員・大橋さおりのブログです

本の紹介。「事例から学ぶ 若者の地域参画成功の決め手」

 『事例から学ぶ 若者の地域参画成功の決め手』(松下啓一著第一法規)を読みました。 

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 県の若者政策を見ていると、困窮する若者や子育て世帯への支援は多少あるものの、広く行う学生への支援や若者支援がとても弱いと感じています。コロナで困窮する学生への支援について6月議会で質問した際、「国公立と私立の両方に対応する担当部署はないから答弁が難しい」と当初言われるなど、行政の抜け穴になっている分野であると感じます。(福島県だけではなく、全国的にそうなっていることもこの本で示されています。)

 一方で、人口減少対策はこれも全国的な課題であり、大学進学や就職を機に東京をはじめ県外に行ってしまう若者が多いというのも全国的な傾向です。要は、若者対策はとても重要な政策なのに、どこも責任を持つ部署がなく宙ぶらりん(半ば放置状態)ということです。

 

 この本では、若者の地域参画成功に向け、地域が取り組むこと、学校が取り組むこと、行政が取り組むこと、が各章で具体例と共に紹介されています。全体的に「それぞれの得意分野や持ち味を生かすこと」に重きが置かれており、それぞれの立場に寄り添った内容となっていたのが印象的でした。それとともに、現状に対しての打開策が、実際の事例紹介と合わせて紹介されています。「今の若者は何を考えているか分からない」という声を各方面からよく聞きますが、そういう方向けの「若者との接し方」についてのレクチャーがあったのもおもしろかったです。

 

 この本で指摘されていたのは、若者がみな地域の在り方などに興味がないわけではなく、行政や学校など「大人」が丁寧に働きかければ参画する若者は必ず出てくるということです。裁判員裁判制度のように、ある意味強制的に参画を依頼することから、地域に目が向くようになるということも一つの案として紹介されていました。実際に、行政が行うアンケートで若い世代を多く抽出した事例などもあるそうです。

 「若者との接し方」では、大人が望む若者像を押し付けることや、自分が言いたいことを言わせるために若者を利用することなどがあれば、若者は敏感に察して離れていくと筆者は注意していました。

 また若者は、多様性を認める力に長けており、一緒に高め合う姿勢で大人が若者と向き合うことで、協力し合える関係へと発展していくことが指摘されていました。こうしたことが複数の自治体で実践しており、実際に成功へと結びついているのです。

 本の最後には、若者の地域参画を成功させるために行政はどのようなことをすればいいのか、について論じています。「地域」と「学校」と「若者」を結ぶ役割は行政がピカイチ、裏方として支えることが大事とのこと。

 世代・立場を超えて多くの方に読んでいただきたい本です。